ある日突然に相手に拒否された!話しかけても返事がない、挨拶しても無視される、何となく避けられている、輪の中に入れてもらえない・・・。こういった辛い経験は多くの方にあります。
本人の思い過ごしの場合も多いものですが、職場や地域、友達グループやママ友などの中で疎外感や孤立を感じたり、仲間はずれにされたと感じると、誰でも心中穏やかではいられません。
◆ 誰にも経験のある拒絶された恐怖
田舎で暮らす小学生の兄弟が、夏休みに都会の親戚の家に泊まりに行った時のことです。兄弟が住む田舎では、道で出会った人には必ず挨拶をします。同じ調子で、都会の住宅街でも元気に挨拶をしました。
ところが様子が違いました。田舎ではたいてい笑顔で返事が返ってくるのですが、都会の住宅街では、少し驚いた様子で兄弟をじっと見る人や、ぺこりと頭を下げるだけの人が大半でした。笑顔で挨拶を返されたのは数えるだけ。兄弟はおじけづき挨拶をやめてしまいました。
◆ 人は孤独や拒絶が怖い
人は何百万年も昔から集団で暮らしてきました。集団でなければ野生の中で生きていけなかったのです。だから集団から追い出されてしまうことにつながる、他人の拒否や拒絶には強い警戒心が働きます。
「自分がどういう目で見られているか」が気になり、相手の表情や態度からそれを推し測ろうとするのは、太古の昔から集団の中で生き抜くために備わった力です。
先の小学生の話では、都会の人が兄弟を拒否している訳ではありません。しかし、受け入れられたという反応が得られなかったので、兄弟は自分達が拒絶されているかも知れないと感じてしまったのです。
◆ 受け入れてくれる人を信頼し好きになる
このように人は拒否され孤立することに強い警戒心がある一方で、受け入れてくれる相手に対しては信頼できる人と感じます。
先の小学生の例では、「やあ、こんにちは!今日もいい天気だね」などと笑顔で答えてくれた大人を、兄弟は信頼できる人と認識するでしょう。
人に好かれるには、相手を受け入れていることがちゃんと伝わり、安心や信頼を与える人にならなければいけません。
◆ 相手を受け入れる3つのアクション
「あなたを受け入れます」と表現するのに意識することは3つです。オーバーなアクションなど必要ありません。それと気が付かれない程度の表現で大丈夫です。
1.挨拶
相手を受け入れる気持ちが表れる「挨拶」は、こちらから先にする挨拶です。先にするということは、相手を拒否しないという自分の意志をはっきりと表します。
2.笑顔
「笑顔」は相手に絶対的な安心感を与えます。日本人はコミュニケーションの手段として表情をあまり重視しない国民性かも知れません。しかし、対面する相手が笑顔であることほど安心できるものはありません。
3.まなざし
「まなざし」は意識を届かせにくいところです。真剣な表情を出そうとじっと睨みつけるような目つきになっては、逆に相手が困惑します。相手を見つめる時「あなたを受け入れます」と心の中で唱えてみてください。自然とやさしく包み込むようなまなざしができるのではないでしょうか。
◆人間関係を円滑にするのは、あなたから
このように普段意識していなければ何てことも無いコミュニケーションの1つである挨拶や笑顔やまなざしは、実はあなたが好印象を持たれる大きなポイントとなります。人と接するときは、「あなたを受け入れます」という気持ちをちゃんと相手に伝えましょう。
勇作